はじめに|収納してるのに、なぜか片づかないあなたへ
「ちゃんと収納グッズも買ったのに、なんだか部屋が散らかる…」
「整理したはずなのに、使いたいものがすぐ出てこない…」
こうした悩みは、決してあなたの“片づけの才能”がないわけではありません。
むしろ、多くの人が**「収納の本当の意味」**を知らずに間違った方法で収納してしまっているのです。
この記事では、そんな迷える収納難民の方に向けて:
- 「使える収納」と「ダメな収納」の違い
- 実際に使いやすい収納を作るための考え方とテクニック
- 明日から使える収納改善チェックリスト
を徹底解説します。収納迷子から脱出して、「散らからない家」を目指しましょう!
第1章|そもそも「収納」とは何のためにあるのか?
収納について考えるとき、多くの人がまず思い浮かべるのは「モノをしまうこと」ではないでしょうか。しかし、ただしまい込むだけでは、生活は快適になりません。むしろ「片づけたはずなのに、どこに何があるか分からない」「取り出すのが面倒で結局使わない」という状況に陥ることも少なくありません。
では、そもそも「収納」とは何のためにあるのでしょうか?
収納の本当の目的は「暮らしやすさ」をつくること
収納の最大の目的は、暮らしを快適にすることです。美しい見た目や一時的な片づけではなく、「日常の中でスムーズに使える」「探さなくてもすぐに取り出せる」「使った後も戻しやすい」という状態こそが、理想的な収納の姿です。
つまり、収納は「モノのため」ではなく「人のため」にあります。
たとえば、調理器具を例に取ると、見た目よく整然と並べるだけではなく、「料理中に自然な動線で手が届く」「よく使う物が手前にある」といった機能性が求められます。それにより、料理のストレスが減り、時間も短縮される――これが収納の価値です。
収納がうまくいかない理由は「目的のズレ」
「せっかく収納したのに使いづらい」と感じるとき、その原因の多くは目的と手段のズレにあります。
たとえば、「とりあえず全部押し入れに入れた」「おしゃれな収納ボックスを買ったけど、何を入れたか分からない」など、収納が「見た目」や「片づけた感」ばかりを重視してしまうと、逆に使いづらくなってしまいます。
ここで重要なのが、「収納とはあくまで手段であって、目的ではない」という考え方です。目的は「家族が暮らしやすくなること」「自分の生活がスムーズに回ること」。そのためには、モノを減らすことも、配置を変えることも必要かもしれません。
収納の基本は「出し入れのしやすさ」にある
収納の質は、出し入れのしやすさで決まります。いくらたくさんモノが入っても、出すのに時間がかかったり、戻すのが面倒だったりすれば、それは“ダメな収納”です。
逆に、「毎日ストレスなく使えて、戻すのもラク」「何がどこにあるかすぐ分かる」収納こそが“使える収納”です。収納の善し悪しを判断する基準は、見た目やサイズではなく、日常の中でどれだけ役立っているかにあります。
たとえば、以下のような視点が大切です。
- 使う頻度の高い物は一等地に
毎日使う文房具やタオルが奥まった場所にあると、それだけでストレスに。使う頻度が高い物こそ、手に取りやすい場所に置くのが基本です。 - 定位置が決まっている
「なんとなくその辺に置いてある」状態は迷子の元。収納場所を決め、ラベルを貼るなど視認性も上げる工夫が効果的です。 - ワンアクションで取り出せる
蓋を開けて、中の箱を取り出して、その中から探して……というような「多段階の収納」は面倒なだけ。できるだけワンアクションで済む工夫が「使える収納」を生みます。
まとめ|「収納」は“暮らしの動線”に寄り添うもの
収納とは単に「モノをしまう」作業ではなく、自分や家族の暮らしにフィットした“動線”を整える行為です。しまうことに満足するのではなく、「使って戻す」までをスムーズにできることが重要。
この視点を持つことで、「使える収納」と「ダメな収納」の違いが自然と見えてきます。次章では、さらにその違いを具体的な特徴から解き明かしていきます。

第2章|ダメな収納あるある10選|あなたの家は大丈夫?
どれだけ収納スペースがあっても、「使いづらい」「探し物が多い」「すぐ散らかる」と感じるなら、それは収納がうまく機能していない証拠です。
ここでは、ありがちな「ダメな収納」のパターンを10個ご紹介します。もし心当たりがあるなら、次章以降でご紹介する改善策を取り入れてみてください。
1. とにかく詰め込むだけの収納
「空いているスペースにとりあえず全部入れちゃえ!」と詰め込むだけの収納は、探しづらく、取り出しにくく、戻しにくい三重苦。収納は“しまう”ことがゴールではなく、“使いやすくする”ことが目的です。
2. 中身が見えない収納ボックスの使いすぎ
見た目をすっきりさせたいあまり、ラベルなしの不透明ボックスを多用すると、中に何が入っているか分からなくなってしまうことも。収納することで“モノが行方不明になる”本末転倒な事態が起こりがちです。
3. ラベリングされていない
収納に名前がないと、家族はもちろん、自分でさえ「何をどこにしまったか」を忘れてしまいます。ラベリングは、“迷子のモノ”を防ぐための道しるべ。とてもシンプルな工夫ですが、効果は絶大です。
4. 「しまうこと」が面倒な構造になっている
収納ケースの奥にしまう、重ねてしまう、フタを開けてさらに箱を開ける……そんな多段階収納は、**「あとでやろう」が積もって“散らかる原因”**になります。収納はワンアクションで済むように工夫すべきです。
5. 使用頻度を無視した配置
「年に1回しか使わないお皿が取り出しやすい位置にあるのに、毎日使うフライパンが奥にある」など、使用頻度に合わない収納は非効率のもと。よく使うものほど“家の一等地”に配置するのが基本です。
6. デッドスペースが多い
「棚の上の空間」「クローゼットの下」「扉の裏」など、有効活用されていない空間=デッドスペースは意外と多く、これらを見逃すとモノが外にあふれます。収納の量ではなく“質”を高める意識が重要です。
7. モノの定位置が決まっていない
使ったあと「どこに戻せばいいか分からない」状態は、片づけが定着しない最大の原因です。定位置がなければ、モノはさまよい、部屋はすぐに散らかる。すべての物に「帰る場所」をつくるのが収納の鉄則です。
8. 同じカテゴリのモノがバラバラの場所にある
掃除道具が洗面所にも玄関にもキッチンにも…と同じジャンルのモノがあちこちに点在していると管理が難しくなります。カテゴリごとに一括収納することで、「重複買い」「どこにあるか分からない」問題を防げます。
9. 収納グッズを先に買ってしまう
「とりあえずおしゃれな収納ボックスを買ってみた」けれど、中身に合わず使い道がない…。これは収納の典型的な失敗です。収納グッズは、収納するモノの量・サイズ・使用頻度を把握したうえで選ぶべきです。
10. 使っていないモノまで収納している
使っていない物を「いつか使うかも」と手放せず収納し続けると、必要な物が入りきらず、収納がパンパンに。収納とは「大事なものを大事にするためのスペース」。不要な物を見直す“断捨離の視点”も欠かせません。
ダメ収納の共通点は「使う人目線」が抜けていること
これらの「ダメな収納」には共通点があります。それは、“使う人の動き”や“生活の流れ”が考慮されていないという点です。収納を「モノをしまう場所」ではなく、「モノを使うための通過点」として捉えると、見直すべきポイントが見えてきます。
「しまいやすさ」「使いやすさ」「見つけやすさ」が整って初めて、その収納は“使える収納”になるのです。

第3章|「使える収納」に共通する5つの基本ルール
前章では「ダメな収納あるある」を10個紹介しました。では、その逆に「使える収納」とはどんな収納でしょうか?見た目がキレイでも、実際に使いづらければ意味がありません。
「使える収納」には共通した基本ルールがあります。この章では、収納の質を根本から高めるための5つのルールを解説します。これを押さえれば、あなたの家の収納はぐっと機能的に、そして快適になります。
ルール1|「使用頻度」で収納の場所を決める
もっとも基本で、もっとも見落とされやすいのがこのルールです。よく使う物ほど、取り出しやすい場所に。あまり使わない物は奥や上の方に。
たとえば:
- 毎日使う調理器具はコンロ近くの引き出しへ
- 来客用の食器や季節外の洋服は、上段・奥へ収納
これは単純なようで非常に効果的なルールです。使用頻度に応じて物の居場所を決めることで、日々の動線がスムーズになり、探し物のストレスが激減します。
ルール2|「ワンアクション収納」を意識する
収納の“使いやすさ”を左右する大きなポイントが、「ワンアクション」です。つまり、取り出す・しまう動作を1回で完結させること。
たとえば:
- フタ付きボックスをやめて、引き出しに変える
- 重ね収納をやめて、立てて収納する
- 小物はトレイにまとめて一気に出せるようにする
「取り出すのに手間がかかる収納」は、結局使われなくなり、散らかりやすくなります。収納のハードルをとことん下げることが、習慣化と片づけやすさにつながります。
ルール3|「モノの定位置」を決める
使ったあと、戻す場所があいまいだと、部屋はすぐに散らかります。逆に、「ここに戻せばいい」と分かっていれば、自然と片づけの流れが生まれます。
「定位置」の設定には以下の工夫が有効です。
- ラベルを貼る(「文房具」「充電ケーブル」など)
- 仕切りやボックスで“エリア”を区切る
- 家族が使うものは“共通ルール”を共有
定位置があることで、「探さない」「迷わない」「誰でも戻せる」収納になります。
ルール4|「余白」を意識して詰め込みすぎない
意外に見落とされがちなのが、「収納の中に余白をつくる」ことです。パンパンに詰まった収納は、見た目も使い勝手も悪くなります。
収納の理想は**“7~8割収納”**。残りの2~3割の空間が、以下のメリットを生みます。
- 取り出しやすく、戻しやすい
- 一時的に物を置くスペースとして使える
- 新しい物が増えても、すぐに収まる余裕がある
余白は、見た目の“ゆとり”だけでなく、心のゆとりも生み出すのです。
ルール5|「自分の生活動線に合わせて収納を設計する」
収納の正解は“人それぞれ”。他人の収納術が自分に合わないと感じるのは、生活スタイルが違うからです。
そこで大切なのが、自分や家族の“動線”を意識した収納。
たとえば:
- 帰宅後すぐに荷物を置ける場所を玄関近くに設ける
- 朝の支度セット(歯ブラシ、スキンケア、メイク)を1カ所にまとめる
- 子どものおもちゃをリビングの一角に設け、出し入れしやすくする
「使う場所の近くに収納する」「流れを妨げない位置に置く」――これは、見た目以上に暮らしやすさに直結する収納の原則です。
まとめ|収納は“暮らしを整える装置”である
「使える収納」の基本は、見た目ではなく、日々の暮らしをどれだけ快適にするかという視点にあります。この章で紹介した5つのルールは、収納を“仕舞う”から“活かす”ものへと変えるためのカギです。
収納の目的は、モノを隠すことではなく、必要なモノを必要なときに、無理なく使えるようにすること。その視点を持つことで、収納の在り方が大きく変わります。

第4章|収納エリア別:使いやすく整える実践アイデア
「使える収納」の基本ルールが分かっても、「実際にどこから手をつけたらいいのか分からない」という声は少なくありません。
この章では、収納エリアごとに実践的なアイデアを紹介します。家の中でも使用頻度の高い場所を中心に、すぐに取り入れられる具体策をピックアップしました。
1|キッチン収納:動線ファーストで「調理の流れ」を止めない
キッチンは収納の優先順位がもっとも重要なエリアのひとつ。調理中にあちこち移動しないと必要なものが取れない…という状況は、時間も手間も無駄にします。
実践アイデア:
- 「立ったまま手が届く」範囲に毎日使う道具を集中配置
フライパン、包丁、まな板、調味料などは、コンロ〜作業台周辺に集約。 - 引き出し収納は「立てる収納」で中身が一目瞭然に
フリーザーバッグやラップ、計量カップなどは立てて収納すると取り出しやすい。 - 吊り戸棚の上段は「ストック置き場」と割り切る
日常使いしない鍋や来客用の食器などに限定。
2|洗面所収納:カテゴリーで仕切って「迷子ゼロ」に
洗面所は“モノが小さいうえに種類が多い”ため、ごちゃつきやすい場所。使う人・使う目的でエリアを区切るのがカギです。
実践アイデア:
- 「毎日使うアイテム」はトレイでまとめて“出しっぱなしOK”に
歯ブラシ、スキンケア用品などは一軍セットとして整えておけば、戻すのもラク。 - 引き出しは100均の仕切りボックスでカテゴリ分け
ヘアゴム、歯磨き粉のストック、コンタクトなど、それぞれラベル付きで管理。 - 洗濯用品は「まとめて1か所に」「取り出しやすく」
洗剤、柔軟剤、洗濯ネットなどをバスケットにまとめると、動作がスムーズになります。
3|クローゼット:使う頻度と季節で“ゾーニング”する
クローゼットは「つい詰め込みたくなる」場所。季節や使用頻度を基準にゾーニングすることで、朝の支度がスムーズになります。
実践アイデア:
- ハンガーは統一、服は「色とカテゴリ」で並べる
アウター、トップス、ボトムスで区切り、色をグラデーションに並べると視認性UP。 - 上段=季節外や冠婚葬祭用、目線〜腰=今着る服
1軍の服はワンアクションで手が届く位置に。 - 収納ボックスは“引き出し型”で中身が見えるように
引き出しにラベルを貼って、中の種類が分かるようにしておくと管理しやすい。
4|玄関収納:毎日出入りする場所は「一軍アイテムだけ」に絞る
玄関は“出入りの起点”であり、“物の一時置き場”になりがち。必要最低限のものだけを置くことで、出かける・帰る動作が快適になります。
実践アイデア:
- 靴は「人数×2〜3足」までと決めてローテーション管理
シーズンごとに見直し、履かない靴は靴箱上段か他の場所に収納。 - 傘、鍵、マスクなどは「壁掛け収納」で見せる収納に
フックやウォールポケットを活用すれば、動作もスムーズ。 - 宅配対応グッズやエコバッグは“外出用ポーチ”にまとめる
玄関の棚かカゴにまとめて置くことで、「忘れ物ゼロ」に。
5|リビング収納:多用途空間は「用途別ミニ収納」で対応
リビングは家族が集まる空間。モノが集中するため、“使う人ごと”“目的ごと”に小分け収納を設けるのが効果的です。
実践アイデア:
- テレビ周辺:リモコン・ゲーム機器・配線類はまとめてボックスに
配線は結束バンドで隠す。収納ボックスにラベルをつけて統一感を。 - 子どものおもちゃ:カゴ収納+写真ラベルで視覚的に管理
「ぬいぐるみ」「ブロック」など、ジャンルごとに分けると片づけも習慣化しやすい。 - 家族共有の文房具や書類:取り出しやすく戻しやすい場所に
リビングの棚の一部を“文房具コーナー”にすると散らかり防止に効果大。
場所ごとの収納には「共通ルール+目的別対応」が効く
どの場所でも、「使用頻度に合わせる」「ワンアクション収納にする」「定位置を決める」といった共通ルールは基本です。ただし、それに加えてその場所特有の使い方に応じた収納の工夫が必要になります。
収納の正解は一つではなく、“暮らし方に合ったカスタマイズ”がポイントなのです。

第5章|収納改善ワーク:3ステップで見直そう
「収納の理論は分かった。でも、実際どこからどう手をつければ…」と感じる方は少なくありません。収納改善は一気に完璧を目指すのではなく、“小さな一歩”を積み重ねていくことが成功のカギです。
この章では、誰でも実践できる「収納改善ワーク」を3つのステップに分けてご紹介します。考える→整理する→整える、という順番で、確実に“使える収納”へ近づけていきましょう。
【STEP 1】「今の収納」を“見える化”する
まずやるべきは、“現状把握”。収納がうまくいかない理由は、自分の収納を客観的に見たことがないことにあります。
▶チェックリスト:こんな症状はありませんか?
- どこに何があるか分からない
- 同じものを何度も買ってしまう
- 戻すのが面倒で出しっぱなしになっている
- 使いたい時にすぐ取り出せない
これらが複数当てはまるなら、収納のどこかに「無理」があるサインです。
▶見える化ワークのやり方:
- 家の中で「使いづらい」と感じているエリアを1か所選ぶ
- その場所の収納をすべて中身を出して写真を撮る or 紙にざっと書き出す
- 「使っている物/使っていない物」に分けてみる
**ポイントは、“完璧を目指さず、1か所だけでOK”**ということ。たった1か所でも、自分の収納のクセが見えてきます。
【STEP 2】「不要・不便」を取り除く
収納を改善するうえで最も効果的なのが、“手放す”ことです。物の量が多すぎると、どんなに収納を工夫しても機能しません。
▶不要なモノを手放す3つの基準
- 1年以上使っていない
- 存在を忘れていた
- 「高かったから」「いつか使うかも」で残している
この3つに該当するものは、あなたの暮らしに必要ない可能性が高いです。迷う場合は「一時保留ボックス」をつくり、一定期間経っても使わなければ処分するのも有効です。
▶“不便な収納”の見直しポイント
- 奥にあって取り出しにくい→手前に移動する or 立てて収納
- 重ねている→重ねない or 引き出し収納に変える
- 使う場所と収納場所が遠い→生活動線に合わせて移動
収納は“見た目”より“動作”を優先しましょう。日常の中でスムーズに使えるかを軸に、改善点を洗い出します。
【STEP 3】「使える収納」に再構築する
不要なものを減らし、不便なポイントを把握したら、いよいよ収納の再構築です。ここでは第3章で紹介した「5つの基本ルール」を実践に移します。
▶再構築の流れ
- 使用頻度で優先順位をつける
→ 毎日使うものを一等地に。それ以外は奥や上段へ。 - ワンアクション収納に切り替える
→ フタ付きボックスをやめ、引き出しやカゴを活用。 - 定位置+ラベルで“戻す仕組み”をつくる
→ 家族も迷わない、シンプルなルールで。 - 7割収納で“余白”を残す
→ 新しく入ってくるモノの“受け皿”を確保。 - 自分の生活動線に合わせて収納場所を設定
→ 使う場所の近くに収納。移動距離を最小限に。
▶「見た目より動作」を重視する
SNS映えする収納も素敵ですが、それが生活に合っていないと、すぐに元通りになります。収納は**“自分と家族が快適に暮らすための道具”**であることを忘れずに。
小さな成功体験を積み重ねよう
最初から完璧を求めると、途中で嫌になってしまいます。まずは「玄関の靴箱」「洗面所の引き出し1段」など、範囲を狭くして成功体験を積むことが大切です。
一か所が整えば、そこで得た「快適さ」がやる気につながり、他のエリアにも良い影響が波及していきます。
収納は“暮らしの見直し”でもある
収納改善は、単なる片づけではありません。モノと自分の関係を見直し、日々の行動をスムーズにする仕組みをつくる作業です。
今回紹介した3ステップを繰り返せば、「片づけなきゃ…」という義務感から、「自然と片づく」収納へと変わっていきます。収納を整えることは、暮らしを整える第一歩です。
まとめ|収納は「情報整理」と同じ。ルールが整えば家が整う
収納がうまくいかない理由の多くは、「しまい方」ではなく「考え方」にあります。
見た目やインスタ映えを目指すよりも、
- 自分や家族が「使いやすい」
- 「戻しやすい」「迷わない」
- 維持しやすい仕組みがある
この3つを意識するだけで、散らからない家は自然に実現します。
まとめ|収納は「情報整理」と同じ。ルールが整えば家が整う
収納と聞くと、「片づけのテクニック」「家事の一部」として捉えがちですが、実はそれだけではありません。本質は「情報整理」と非常によく似ています。
パソコンのデスクトップがアイコンであふれていると、必要なファイルがすぐに見つかりません。フォルダに名前がついていなければ、どこに何があるのか迷いますよね。
これとまったく同じことが、私たちの家でも起きているのです。
モノ=情報。収納は“使いやすい構造”づくり
家の中のモノは、いわば“生活の情報”です。そして、収納とはその情報を「整理整頓する仕組み」――つまり、ルールをつくって分類・配置し、必要なときにすぐ取り出せるようにすることに他なりません。
「しまう場所が分かる」=フォルダ分け
「何が入っているか見える」=ラベリング
「使う頻度で配置を変える」=使用優先度のタグ付け
このように、収納がうまくいっている状態とは、情報の流れが滞らず、シンプルに処理できる状態と同じなのです。
家が整わない原因は、「ルール」がないから
「頑張って片づけても、すぐ散らかってしまう…」
「家族が元に戻してくれない…」
こんな悩みの多くは、実はルールが明確でないことに起因しています。
たとえば:
- どこに何をしまうか決まっていない
- 誰が片づけるのか曖昧
- 収納グッズが合っていない
- 「とりあえず入れる箱」ばかりが増えている
ルールがないと、片づけのたびに判断が必要になります。そしてその判断が面倒で後回しになり、結果的に「片づけ=ストレス」になってしまうのです。
ルールが整えば、片づけは“自動化”できる
情報整理と同じく、収納もルール化することで“自動化”が可能になります。
たとえば、
- よく使うものはここ(位置のルール)
- 〇〇は△△に戻す(定位置のルール)
- 毎月1回は引き出しを見直す(時間のルール)
こうしたシンプルなルールがあれば、片づけの「判断の手間」が減り、自然と元に戻る仕組みが整っていきます。
しかも、このルールは家族にも共有可能。誰か一人が頑張らなくても、**「片づけが回る家」**をつくることができるのです。
収納とは「暮らしのOS(オペレーティングシステム)」である
スマートフォンも、アプリがバラバラではうまく動きません。OSがそれらを管理し、適切に連携させてこそ、快適に使えるのです。
収納もまったく同じ。家という“システム”の中で、**モノ・人・動線がスムーズに連携するための“基盤”**こそが収納なのです。
- 朝の支度が5分で終わる
- 探し物ゼロのキッチン
- 家族が自然に片づけてくれる玄関
これは決して特別なセンスではなく、ルールと構造を整えることで実現できる日常です。
これから収納を整えるあなたへ
収納とは、「頑張る」ことではありません。
「ラクに暮らせる仕組み」を作ることです。
このシリーズを通じて紹介してきたのは、収納の見た目ではなく、使いやすさと持続可能性に重点を置いた考え方と方法です。
最初の一歩は、小さな引き出し一つでも構いません。
「何が入っている?」「使っている?」「戻しやすい?」――そう問いかけながら、モノとの関係、家との関係を見直してみてください。
あなたの家は、もっと快適に、もっと自分らしく変わっていけます。収納とは、その「土台」なのです。
おわりに|収納が整うと、人生も整いはじめる
モノの管理が整うと、時間の使い方が整い、心にも余白が生まれます。
収納とは、単なる家事の一部ではなく、暮らしをデザインする力そのもの。
「家が整っていると、毎日がちょっと楽になる」
そんな実感を、ぜひあなたの暮らしでも味わってください。