はじめに|“捨てる前に、もう一度考える”
私たちの暮らしには、「もう使わないかも」「いらないかも」と思って捨ててしまう物があふれています。しかし、その中には少しの工夫で「便利な道具」「生活の味方」になる物もたくさんあります。今回は、家庭で手軽に実践できる“リユース術”をご紹介。捨てずに賢く使うことで、節約にもエコにもつながるアイデアを集めました。
第1章|“リユース”ってなに?リサイクルとの違い
捨てる前に考える「別の使い道」
「もう使わない」「古くなった」「壊れかけてる」——そんな理由で、私たちは多くのモノを日々処分しています。ですが、少し視点を変えるだけで、それらが“新たな使い道”を持ってよみがえることがあります。それが、**リユース(再利用)**です。
リユースとは、簡単に言えば「物を捨てずに再び使う」こと。新品のように完璧でなくても、工夫次第でまだまだ現役として活躍させることができます。
この章では、リユースとリサイクルの違いを明確にしながら、リユースの魅力と、なぜ今注目されているのかをご紹介します。
「リユース」と「リサイクル」の違いとは?
まず混同されやすい2つの言葉を整理してみましょう。
用語 | 意味 | 例 |
---|---|---|
リユース | 物をそのまま、または少し手を加えて再利用する | 空き瓶を保存容器として使う、古着をパジャマにする |
リサイクル | 素材に戻してから再加工して別の物にする | 古新聞をパルプにして再生紙にする、ペットボトルを繊維にする |
つまり、リユースは“形を変えずに”もう一度使うこと、リサイクルは“素材として”生まれ変わらせることです。
エネルギーや資源をより少なく済ませられるのは、実は「リユース」。そのため、家庭で気軽に取り組めて、環境負荷も小さく抑えられるという点が、注目される理由のひとつです。
リユースのメリット3つ
① ゴミが減って環境にやさしい
捨てる物が減る分、焼却や埋め立ての負担も減少。リサイクルと違って加工工程がないため、二酸化炭素の排出も抑えられます。
② 家計の節約になる
“使える物を買い直さない”ことで出費を抑えることができます。収納用品や掃除道具など、意外と出費がかさむジャンルこそリユースの出番です。
③ 収納や暮らしが整う
リユース品をうまく活用することで、収納が便利に、空間がすっきりすることも。物を使い切る習慣が、暮らし全体を見直すきっかけにもなります。
今こそ「使い捨て」から「再利用」へ
現代社会は「使い捨て文化」が当たり前になっています。特に便利で安価なアイテムが増えたことで、「壊れたらすぐ捨てる」「古くなったら新調する」という流れが定着してしまいました。
ですが、その背景には大量の資源消費や廃棄物問題が隠れています。
- 毎年日本では約4,200万トンのごみが排出されている(※環境省調べ)
- そのうち、家庭からの一般ごみが約半分を占める
- プラスチックごみや衣類ごみなど、再利用できる物の多くがそのまま廃棄されている
この現実を少しでも変えるためには、私たち一人ひとりの「捨てずに使う」意識が必要です。リユースは、その第一歩。難しいことではなく、今日からでも始められる小さな工夫で、確実に変化を起こすことができます。
「リユース視点」を持つだけで、暮らしは変わる
リユースを始めるにあたって、特別な技術や知識は必要ありません。大切なのは、「これはもう一度使えないか?」と考える習慣を持つことだけ。
- 空き瓶を調味料入れに
- 古いシャツをウエスに
- 紙袋を収納ケースに
- パッケージを仕切りに
こうしたアイデアはどれも、手軽で実用的。それでいて「ちょっと楽しい」「見た目が整う」など、暮らしに嬉しい変化をもたらします。
次章からは、場所別にアイデアをご紹介!
リユースは、一つのやり方ではなく、暮らしの中のあちこちで工夫できるのが魅力です。次章以降では、台所、洗面所、リビング、子ども用品や趣味の道具など、家庭内のさまざまな場面で使えるリユース術を具体的にご紹介します。
ぜひ、「うちでもできそう」「これ、やってみたい」と思えるものを見つけてみてください!

第2章|台所編|キッチンの“不要品”が便利アイテムに変身!
キッチンは、日々の生活の中でもっとも多くの「消耗品」や「パッケージごみ」が生まれる場所です。しかし同時に、リユースの可能性が最も豊かな場所でもあります。少しの工夫で“不要品”が“便利アイテム”に生まれ変わる、そんな台所リユース術を紹介します。
空き瓶・ガラス容器は「見せる収納」に
ジャムやパスタソースなどの空き瓶、つい捨てていませんか?実はこれ、調味料・乾物・お菓子などの保存容器として優秀なんです。
- 利点1:中身が見えるので管理しやすい
- 利点2:匂いや油分が付きにくい
- 利点3:並べたときの統一感が美しい
ラベルをはがし、熱湯消毒すれば衛生的にも安心。フタにマスキングテープで中身を書いておくと便利です。棚に並べれば、まるでカフェのような“見せる収納”に。
牛乳パックは“万能素材”だった!
丈夫で厚手、かつ撥水性もある牛乳パックは、リユース素材としてかなり有能。例えば…
■ 小物トレーに
カットしてお箸・スプーンの整理トレーにすれば、引き出しがすっきり整います。布やマスキングテープでデコレーションすれば見た目もおしゃれに。
■ まな板代わりに
生肉や魚を切るときだけ使う“使い捨てまな板”として活用。衛生面が気になる作業でも、後片付けがラクになります。
■ ゴミ箱の底敷きに
汁漏れやニオイ防止に。特に三角コーナーや生ゴミ用ゴミ箱との相性が抜群です。
卵パックは仕分けの名人
透明で仕切りのある卵パックは、小物整理や一時収納に最適。
- 冷蔵庫の薬味・チューブ収納に
チューブ調味料や小さな袋物を立てて入れれば、取り出しやすく散らかりません。 - 子どものおもちゃやパーツ仕分けに
ビーズ・ボタン・画鋲などの細かいパーツを種類別に分けられます。 - 種まきトレイにも
底に穴を開けて土を入れれば、ガーデニング用の簡易プランターに。
ペットボトルは“意外な収納”に使える
捨てる前にカットしてみると、意外と使える形になるのがペットボトル。
■ 袋物のホルダーに
2Lサイズのボトルを半分に切れば、乾物(昆布やひじきなど)の立て収納に最適。中身が透けて見えるのもポイント。
■ 洗剤計量カップの代用に
キャップ部分を切り落とした部分を使えば、粉洗剤などの計量に便利。軽くて丈夫、洗いやすいのも利点です。
ラップやアルミホイルの箱も収納に応用!
ラップやアルミホイルの箱は、意外と丈夫で扱いやすい構造です。
- 引き出し内の仕切りに
細長く切って立てれば、菜箸やスティック状の調理器具の仕切りとして大活躍。 - ビニール袋・輪ゴムの収納に
取り出し口を工夫すれば、簡易ディスペンサーになります。 - メモ用紙入れに
キッチンのちょっとしたメモを入れておけば、買い物リストの記入にすぐ使えて便利。
パン袋の「留め具」も再利用できる
パンやお菓子の袋についているプラスチック製の留め具(バッグクロージャー)、実はかなり便利なアイテム。
- 電源コードのラベルに(マジックで家電名を書く)
- 冷蔵庫内のタッパー管理(賞味期限などを書く)
- 輪ゴムがわりに、袋口の軽い封として
軽くて小さいけれど、リユースの効果は大きい道具のひとつです。
キッチンリユースのコツは「清潔&定位置管理」
キッチンでリユースをする際のポイントは2つあります。
- 必ずきちんと洗って乾かすこと
食品を扱う場所だけに、衛生面には特に気をつけましょう。ぬめりやニオイが残る素材は避けるか、短期間で処分するのがおすすめ。 - 再利用品の“定位置”を決めておく
「とりあえず取っておく」と溜まりがち。リユース品の保管場所を決めて、使う分だけストックするルールを。
キッチンは「小さな再利用」の宝庫
台所のリユースは、小さな工夫の積み重ねです。でもその一つひとつが、ごみの削減・お金の節約・空間の整頓へとつながります。
使い捨てを減らすことは、キッチン全体の“動線”や“使いやすさ”を見直すことにもつながり、暮らしをもっと快適にしてくれます。
第3章|洗面所・バスルーム編|清潔を保ちながらエコ活用
水まわりは、清潔感を重視する空間。そのため、つい「使い捨て」を選びがちですが、実は洗面所やバスルームこそ、リユースの工夫が活きる場所でもあります。
この章では、衛生面に配慮しながら、家庭にある不要品を再活用するアイデアを紹介します。清潔さとエコの両立、思っている以上にカンタンにできるのです。
使用済み歯ブラシは“最強の掃除道具”
歯ブラシは一定期間使うと毛先が開いて交換時期になりますが、そのまま捨てていませんか?
この使用済み歯ブラシ、実は家中の掃除で大活躍します。
● バスルームでの使い道
- タイルの目地や排水口のぬめり取り
- 浴室ドアのレールやゴムパッキンの汚れ除去
● 洗面所での使い道
- 水栓の隙間、蛇口根元の水アカ取り
- 歯磨き粉カスが溜まりやすい溝の清掃
持ちやすく小回りが利くので、ピンポイント掃除にぴったり。使用前にアルコールや洗剤でしっかり洗浄してから使うと安心です。
詰め替え容器は“見た目も衛生も整えるツール”
シャンプー・ボディソープ・洗剤などの詰め替え容器、中身を変えて繰り返し使うことでリユースが実現します。
- ボトルの色や形を統一すれば、見た目がスッキリ
- 詰め替えパックの方がゴミも減りコスパも良好
- ラベルを貼って中身を明確にしておけば混乱しない
特に、見た目にこだわるなら「中身が見えないボトル+ラベル管理」がおすすめ。
古いボトルも、ラベルを剥がす・洗う・ラベルを貼るだけで、再利用しながら統一感のある空間が作れます。
古くなったタオルは“使い捨て雑巾”に変身!
バスタオルやフェイスタオルも、薄くなってきたら雑巾やふきんに変えましょう。
■ 活用シーンいろいろ
- 洗面所の水ハネふき取り
- バスルームの水滴ふき上げ用クロス
- 鏡や洗面ボウルの磨き上げ
タオルを手のひらサイズにカットしておけば、使いたい時にサッと取り出せます。汚れたらそのまま処分できる“ワンウェイ雑巾”は、洗濯の手間も省けて便利です。
小さなプラスチック容器は“細かな物の仕切り”に
洗顔料やクリーム、歯間ブラシ、髭剃りなど、バスルームまわりは細かい物が多い場所。
そんな時こそ、空いた化粧品ケースや綿棒ケースなどの小型容器を再利用しましょう。
具体的な活用法
- コットンやヘアゴムの収納に
- 髭剃りの替刃やヘアピンの保管
- 旅行用の詰め替え容器に再利用
中が見える容器は、ラベルなしでも中身が把握できて便利。清潔を保ちやすいのもポイントです。
ラップ芯・トイレットペーパー芯も意外に活躍
紙の芯類もバスルームではケーブル収納や掃除道具の整理に使えます。
- ヘアアイロンやドライヤーのコードを巻く
- 排水口ネットやゴミ袋の小分け保管に
- 歯ブラシ立ての代用にも(複数口に切り分ければ家族別に仕分け可能)
水がかかる場所では使えませんが、湿気の少ない棚の中で使う分には十分実用的です。
試供品・サンプル品は“使い切る意識”で整理整頓
洗面所の収納を圧迫しがちなのが、使いかけのサンプル品やホテルアメニティ。
そのまましまい込まず、**「使い切ってリセット」→「空き容器をリユース」**の流れに変えましょう。
- 旅行や外出時に使い切る
- 普段使いの物と一緒に保管せず、専用ケースにまとめる
- お気に入りの香りのものは、空き容器に詰め替えて再利用もOK
こうした“使い切る習慣”が、モノを大切にする第一歩になります。
衛生と快適さを両立する「再利用のコツ」
洗面所やバスルームでリユースを実践する際は、以下のポイントを意識しましょう。
✅ しっかり洗って乾燥
湿気が多い場所ではカビや菌の繁殖に注意。使う前・使った後は清潔に。
✅ 無理せず“使い切り前提”もOK
掃除用タオルや歯ブラシなどは、「使ったら捨てる」を前提にすれば気楽に使えます。
✅ 定期的な見直しを忘れずに
収納の中に“使えそうで使っていないもの”が溜まりがち。定期的なチェックで循環させる意識を。
水まわりのリユースで、家全体の「整い」が進む
洗面所やバスルームでのリユースは、小さな取り組みに見えて、暮らしの清潔感・使いやすさ・整った印象に直結します。
そしてそれは、家全体の空気感にも良い影響を与えてくれます。
“エコなのに快適”“節約なのにおしゃれ”を叶えるリユース習慣を、ぜひ今日から始めてみてください。
第4章|リビング・収納編|捨てずに整えるテクニック
リビングは家族が集まる場所であり、ものが集まりやすく、散らかりやすい場所でもあります。そんな空間をスッキリ整えるために、収納グッズをわざわざ買い足すのではなく、「家にあるもの」を再利用して整える工夫をしてみませんか?
この章では、リビングや収納まわりで使える、“捨てずに活かす”アイテム活用術をご紹介します。
お菓子や贈答品の空き箱が“仕切りケース”に
缶入りクッキーや高級チョコの箱、贈答品のパッケージ——一見ゴミに見えるこれらは、**引き出し内の整理に最適な「仕切り」**になります。
- 文房具や工具、充電ケーブルの収納に
- 書類トレイの中でペン・ハサミ・印鑑などを分類
- クローゼット内の靴下・下着・アクセサリー類の仕切りにも応用可能
箱の高さを調整したい場合は、ハサミでカット。見た目が気になる場合は、おしゃれな包装紙やクラフト紙でカバーすれば、インテリアになじみます。
ティッシュの空き箱は“縦型収納”に便利
使い終わったティッシュ箱は、コンパクトな縦型収納ケースとして使えます。
- 書類や取扱説明書、DMの一時保管
- 細長い文具の整理(定規・筆ペン・替え芯など)
- マスクや紙ナプキンの収納箱としても
箱の口部分をカットし、取り出しやすくすれば「簡易ディスペンサー」に早変わり。箱が潰れてきたら気兼ねなく交換できるのも、再利用ならではの気軽さです。
古布・着なくなった服は“収納カバー”や“クッション”に
伸びきったTシャツ、使い古したバスタオルなどは、リビングアイテムのカバー類や中身として再利用できます。
■ 収納ボックスの目隠しカバーに
布を掛けるだけで生活感を隠せて、印象がぐっとスッキリ。
■ クッションカバーにリメイク
サイズに合わせてざっくり縫えば、簡易クッションカバーに。裁縫が苦手なら安全ピンでとめるだけでもOK。
■ 詰め物としても活躍
ボロボロになったタオルやTシャツは、クッションやぬいぐるみの“中身”として再利用可能。捨てずに再活用できる最終ステップとしても便利です。
紙袋やショッパーも“収納ツール”に
ちょっとオシャレな紙袋、つい取っておいていませんか?それ、収納グッズにぴったりの素材です。
- 雑誌や新聞のストッカーに(取っ手で移動も簡単)
- ゴミ箱の内袋にして、汚れたらそのまま処分
- 書類・プリントの一時保管にも
中に厚紙や段ボールを入れて補強すれば、耐久性もアップ。サイズやデザインで使い分けると、見た目にも楽しい収納が作れます。
段ボール箱は“カスタマイズ収納”の宝庫
通販などで届いた段ボール箱は、サイズも丈夫さも千差万別。そのまま捨てるのはもったいない!
■ 隙間収納の引き出し代わりに
クローゼット下やベッド下など、ちょっとした隙間にぴったりのサイズを見つけて引き出し代用に。取っ手を付けたり、カバーを付けたりすれば見た目も◎。
■ 雑誌・書類のファイルボックスに
斜めにカットすれば、書類ケースやブックスタンドに変身。強度を出すために内側に紙を貼るのがコツ。
使い終わった封筒・カレンダー・紙類も侮れない!
- カレンダーの裏紙はメモ帳に
1ヶ月終わったら裏側を切ってメモに活用。カットしてまとめれば立派な「再利用ノート」です。 - 封筒は収納ラベルや書類入れに
中身が見えないので、領収書や診断書などの保管にも安心。マスキングテープで分類名を書いておけば管理しやすくなります。 - DMの封筒はおすそ分け用に
ちょっとしたメモやクーポンを入れる封筒として再利用可能。手渡し用にも便利です。
「収納の見直し」と「再利用」はセットで考える
リユースは、ただ物を再利用するだけでなく、収納スペースの見直しと整理整頓の意識改革にもつながります。
- 「これは何に使えるか?」と考えることで、物の価値を再認識
- 「どう収めればスッキリするか?」と考えることで、使いやすさが向上
- 「買う前に家の中を見直す」ことで、無駄な支出が減る
これらはすべて、“リユース視点”を持つことから始まります。
見た目も整う「リユース収納」で、心地よいリビングに
収納用品を揃えると出費もかさみますが、リユースを取り入れれば、お金をかけずに自分らしい整理整頓が可能になります。しかも、環境にもやさしく、物への愛着も深まる——まさに良いこと尽くめ。
家族が集まるリビングこそ、「スッキリ整った空間」であることが大切です。そこにリユースの工夫が加われば、もっとあたたかく、もっと快適な空間へと変わっていくはずです。
第5章|子ども用品・趣味用品|アイデア次第で無限の活用
家の中には、“捨てづらいけど使い道がわからない”モノがたくさんあります。とくに子ども用品や趣味の道具は、思い出やこだわりが詰まっている分、気軽には手放せないものばかり。
でも実は、この“想いが残るモノ”こそ、アイデア次第で再活用の可能性が広がる宝の山。本章では、子ども用品や趣味グッズを活かしたリユース術をご紹介します。
子どもの「作品」は写真で残して、モノは整理
保育園や学校で作った絵や工作、どれも可愛くて捨てづらいですよね。でもすべてを取っておくと、収納がどんどん圧迫されていきます。
■ 再利用のヒント
- スマホで撮影してデジタル保存:1枚ずつ丁寧に写真に撮れば、スペースいらずで思い出を保管可能。
- 「作品アルバム」を作る:写真を印刷してスクラップブックにすれば、お子さんも楽しめる一冊に。
- 一部は“額装”してインテリア化:気に入った作品はフレームに入れて飾れば、おしゃれで温かみのある空間に。
「全部は取っておけないけど、思い出には残す」——そんなリユースの仕方が理想です。
壊れたおもちゃは「素材」として活かす
遊ばなくなったブロックや、壊れて使えなくなったミニカー、パーツの取れた人形…。捨てる前に、「何かに使えないかな?」と視点を変えてみましょう。
■ 再利用の例
- 壊れたパーツは“DIY素材”に:カラフルなブロックやパーツは、写真立てや雑貨の装飾に。
- おままごと道具は収納グッズに:ミニバスケットやプレート類は、クリップやアクセサリーの整理に活用。
- プラスチック容器は小物ケースに:おもちゃの空き箱を工作道具入れにしても◎。
“壊れて終わり”ではなく、“次の用途”が見つかれば、子どもも物を大切にする心が育ちます。
絵本や児童書は“シェア”で活躍
子どもが成長して読まなくなった絵本や児童書も、捨てずに活かす手段はたくさんあります。
■ リユースの方法
- きょうだい・親戚・友人に譲る:近い人へのおさがりは定番ですが、喜ばれることが多いです。
- 地域の子育て支援施設・保育園に寄付:状態が良ければ受け入れてもらえる場合もあります。
- リサイクルショップに持ち込む:まとめて売れば収納もスッキリし、お小遣いにもなります。
“物を循環させる”ことは、家庭だけでなく地域社会にも貢献できる立派なリユースです。
趣味用品は「飾る」「使う」「譲る」で活かす
ハンドメイド、釣り、絵画、裁縫、音楽、スポーツ——趣味の道具や作品は、保管も使い道も悩ましいもの。ですが視点を変えれば、趣味グッズも立派なリユース対象です。
■ 飾って楽しむ
- 手作り作品やコレクションを壁に飾る・棚に見せる収納に。
- ミシン糸やビーズ、毛糸などをガラス瓶に入れてディスプレイ。
■ 道具は実用として使う
- 不要になった裁縫道具やハギレ布をリペア用アイテムに。
- 書き損じのスケッチブックを子どものお絵かき帳に転用。
■ 不要な道具は譲る
- SNSの地域グループやフリマアプリを活用すれば、次の使い手が見つかることも多いです。
“趣味は自己満足で終わらない”という考え方が、リユースによって広がっていきます。
「子どもと一緒にリユース」は学びのチャンス
子ども用品を再利用する際には、ぜひお子さん本人を巻き込んでみましょう。
- 「これ、どうやって使おうか?」と一緒に考える
- 「前はおもちゃだったけど、今度は収納箱にしてみよう」などの変化を楽しむ
- 「いらなくなった物は、別の誰かが使うかもしれない」と伝える
こうしたやりとりは、物を大切にする心・創造力・社会とのつながりを育む教育にもなります。
リユースで「思い出」は捨てずに活かす
子ども用品や趣味グッズには、感情や記憶が詰まっているからこそ、捨てるのが難しい。でもリユースなら、「思い出を活かしながら、モノを手放す」という選択肢が可能になります。
- 写真に残して手放す
- 飾って愛でる
- 誰かに譲って喜ばれる
すべては「ただの不用品」にせず、「役割を終えても価値あるモノ」として扱う姿勢がカギになります。
第6章|“見せるリユース”でおしゃれに楽しむ
リユースと聞くと、「節約」や「エコ」という実用的なイメージが強いかもしれません。しかし近年では、“魅せる”リユースとして、インテリアの一部に取り入れるスタイルも人気です。
リユース品をただの「再利用品」として扱うのではなく、あえて見せることでおしゃれに暮らしに溶け込ませる。この章では、そんな“見せるリユース”のアイデアをご紹介します。
空き瓶&ガラス容器は、飾る収納の主役
透明で形の美しいガラス瓶は、再利用しやすいだけでなくインテリアアイテムとしても優秀。ラベルを剥がして中身を見せることで、生活感を抑えたスタイリッシュな空間が作れます。
■ 活用アイデア
- ドライフラワーの花瓶に
- LEDライトを入れてライトインテリアに
- 綿棒・コットン・クリップなどを見せる収納に
- スパイスや乾物を統一容器に詰め替えてディスプレイ
並べるだけで「統一感」「清潔感」「抜け感」のある雰囲気を演出できるのが魅力です。
空き缶や紙箱はDIYで“見せる雑貨”に変身
お菓子の缶やコーヒー缶、紅茶の箱など、捨てるには惜しい可愛いパッケージ。これらは少しの工夫で、立派なインテリア雑貨に早変わりします。
■ 具体例
- 空き缶を塗装して鉢カバーに
- 紙箱に布や包装紙を貼って小物入れに
- マスキングテープやシールでリメイク
ちょっとした工作気分でできて、世界にひとつだけの雑貨に仕上がるのがポイント。シンプルな部屋に彩りを加えたい時にもおすすめです。
牛乳パックやトイレットペーパー芯で“工作感覚”のデコ収納
一見、地味でリサイクル感の強い素材も、工夫次第でおしゃれに見せることができます。
■ 牛乳パックのリユース例
- 切り開いてペン立てや仕切り箱に
- 布や紙を貼って「カトラリーケース」「レターラック」に変身
- 子どもと一緒に工作して「おもちゃの家具」や「小物棚」に
■ トイレットペーパー芯のアイデア
- コード巻きやアクセサリースタンドに
- フェイクグリーンの鉢カバーにして並べると意外とおしゃれ
手軽な材料だからこそ、気軽に失敗を恐れずアレンジできるのが強みです。
古布・洋服のリメイクで「布の温もり」をインテリアに
着なくなったTシャツやストール、破れた布バッグなどの布類は、布小物や装飾品として再生させることが可能です。
■ 活用アイデア
- クッションカバーやランチョンマットにリメイク
- 古布を三角にカットして“ガーランド”に
- 棚の目隠し布やカフェカーテンに再利用
- 取っ手付きの収納ボックスを布で包んでナチュラル感を演出
既製品にはない“味”や“温もり”が感じられるので、ナチュラルテイストな部屋にぴったりです。
“飾る”ことは、使うこと以上に楽しいリユース
リユースというと、「いかに無駄なく使うか」という効率面に意識が向きがちですが、“見せるリユース”はそれだけではありません。
- 使い古した物が、愛着あるインテリアに変わる
- 手を加えることで、モノへの思いが深まる
- 家族や来客に「これ手作りなんだよ」と話せる楽しさが生まれる
つまり、暮らしを楽しむための創造的な手段としてのリユースです。
おしゃれリユースの3つのポイント
① “素材そのものの魅力”を引き出す
ガラス、金属、布、木材——素材感を活かしたリユースは見栄えも自然と整います。
② 色・形・高さのバランスを意識する
「同系色でまとめる」「高さを揃える」「間隔を空ける」といったコツで雑多に見せない工夫を。
③ ひと手間かけることを楽しむ
塗装、紙貼り、ラベル作成など、手を加えることでリユース品が“作品”になります。
「ただのリユース」から「暮らしを楽しむリユース」へ
生活感を隠すのではなく、あえて“見せて魅せる”リユース術。それは、モノに新たな価値を吹き込むだけでなく、自分自身の暮らしへの愛着を育ててくれるものです。
小さな再利用の積み重ねが、部屋の雰囲気を変え、気分を高め、来客にも「素敵!」と言ってもらえる空間に変えてくれる。
ぜひ今日から、あなたの家でも“見せるリユース”を取り入れてみてください。

第7章|リユースを習慣にする5つのコツ
「リユースっていいな」「やってみよう!」と思っても、気づけば忘れていたり、元の“使い捨て習慣”に戻っていたりすること、ありませんか?
リユースは、単発で終わらせるのではなく**“日々の習慣”にできるかどうか**がカギです。この章では、リユースを無理なく・楽しく・長く続けるための5つのコツをご紹介します。
コツ①|“捨てる前に”一度立ち止まる習慣をつける
リユースの第一歩は、「これ、捨てていいのかな?」と立ち止まること。
■ 具体的なアクション
- 捨てる前に“リユース箱”を設置して一時保留
- 「他の使い道がないか?」と5秒だけ考えてみる
- スマホのメモ帳や写真フォルダに「再利用アイデア」をストック
この“立ち止まりのクセ”がつくだけで、リユースの発想が自然と広がります。とくに日用品やパッケージ類は「一度よく見てみる」だけで、驚くほど使い道が見えてきます。
コツ②|「使う」場所にストックしすぎない
リユースをしようと張り切りすぎると、家の中に「空き瓶だらけ」「牛乳パックが溜まりすぎ」など、“使うつもり”の物があふれて逆にストレスになることも。
■ 習慣化する工夫
- 各カテゴリごとに「〇個まで」と決めておく
- 月1回の“リユース品見直しデー”を設定
- ストックする場所を「リユースコーナー」として可視化
あくまで**“使い切れる範囲”で持つのがリユースの基本**。無理せず、生活に合った量を見極めることが長続きの秘訣です。
コツ③|家族とアイデアを共有する
リユースは、一人だけで頑張らないほうがうまくいきます。家族や同居人と一緒に「こうやって使えるかも!」と楽しむと、自然に習慣化しやすくなります。
■ 家族でできること
- 子どもと「工作材料として再利用」する時間をつくる
- パートナーと「リユース品の使い道コンテスト」的に遊ぶ
- 「これは何かに使えそう?」と一緒に考える時間を設ける
家族でリユースを共有することで、「これは再利用品」「これはごみ」といった判断もスムーズに。「勝手に捨てられた…」というストレスも防げます。
コツ④|SNSやネットで“発見”を楽しむ
マンネリ化してきたら、SNSやネット検索で「再利用のヒント」を探すのもおすすめです。
■ 検索キーワード例
- 「空き瓶 活用アイデア」
- 「牛乳パック リメイク」
- 「おしゃれ リユース インテリア」
インスタグラムやPinterestなどには、おしゃれな再利用例が多数掲載されています。人の工夫を知ることで、自分の暮らしにも取り入れたくなる気持ちが生まれ、行動に繋がりやすくなります。
コツ⑤|「捨てる理由」より「使える理由」を探す
「使い道がないから捨てる」ではなく、「これって何に使えるかな?」と考える逆転の発想が、リユース習慣の最大のポイントです。
■ 実践のヒント
- 「形」「素材」「サイズ」で分類して再活用を考える
- 迷ったら“とりあえず1回使ってみる”
- 「1つで2つの使い道があれば即キープ」など、自分なりのルールを設定
リユースの視点は、ただモノを使いまわすだけでなく、発想力・工夫力・観察力を育ててくれます。それは家事や整理整頓、買い物の選び方など、暮らし全体の質にもつながっていくのです。
小さな“習慣化”が、やがて大きな変化になる
リユースは、一つひとつは地味な行動かもしれません。しかしその積み重ねが、
- ゴミの量を減らし
- 出費を減らし
- 家を整え
- 環境にもやさしい暮らしをつくってくれる
…という、長く豊かな暮らしの土台になります。
「ちょっと捨てる前に考える」
「少しだけ手を加えて使い続ける」
その気持ちと工夫を、今日からあなたの暮らしに取り入れてみませんか?
まとめ|“再利用”は、暮らしを変える小さな第一歩
「もう使わない」「古くなった」「いらないかも」——そんな理由で、日々何気なく手放しているモノたち。でも、ほんの少し立ち止まって考えるだけで、それらは**“役目を終えたもの”から、“新たな役割を持つもの”へと生まれ変わる**かもしれません。
本記事では、家庭内で気軽に実践できるリユース術を、場所ごと・目的ごとにご紹介してきました。最後に、あらためてリユースがもたらす価値と、今日からできるアクションを振り返ってみましょう。
リユースは「エコ」と「節約」の両立を叶える
再利用のメリットは、何と言ってもその実用性と効果の大きさにあります。
- ゴミを減らせて環境にやさしい
- 物を買い足さなくて済み、出費も抑えられる
- 収納や家事動線が整い、暮らしやすくなる
- 工夫を重ねることで、創造性や愛着が育つ
“もったいない”という気持ちから始まった行動が、地球にも、自分にも、家族にもやさしい結果をもたらす——それがリユースの本質です。
どんな家にも“再利用できるモノ”が眠っている
捨てようとしていた空き瓶、着なくなった服、壊れたおもちゃ、使い切った容器…。それらは決して“ただのゴミ”ではありません。
- キッチンでは空き容器や牛乳パックが便利グッズに
- 洗面所ではタオルや歯ブラシが掃除道具として活躍
- リビングでは紙袋や箱が収納ツールに変身
- 子ども用品や趣味道具は、思い出として飾ったり譲ったりできる
どの家庭にも、今すぐ使える素材が必ずあります。ポイントは、「捨てる前に、もう一度だけ考えてみる」こと。再利用の視点を持てば、モノとの付き合い方がガラリと変わります。
リユースは、“小さな習慣”から始めよう
習慣化のコツとして、第7章でご紹介した5つのポイントを振り返ります:
- 捨てる前に立ち止まる習慣をつける
- ストックしすぎない「持ちすぎ防止」の仕組みを作る
- 家族と共有しながら楽しむ
- SNSやネットでアイデアを見つけて刺激を受ける
- 「使える理由」を探す思考を持つ
これらを意識することで、リユースは無理なく続けられ、やがてそれが自然な生活スタイルとなります。
モノと丁寧につき合うことが、豊かな暮らしにつながる
リユースは、ただ物を再利用する行為にとどまりません。それは——
- 「捨てる」「買う」を少し減らす勇気
- 物の命を延ばすことへの敬意
- 暮らしにあるものを工夫で活かすという前向きさ
こうした意識を育む、“生活の質”を高める習慣なのです。
忙しい日々の中で、すべてを完璧にやる必要はありません。でも、「ひとつでも再利用してみよう」と思えたら、それは立派な暮らしのアップデートです。
おわりに|あなたのリユースが、未来をちょっと良くする
「どうせ捨てるものだから」と無意識に捨てていたモノたちを、「まだ使えるかもしれない」と見つめ直すだけで、暮らしは少しずつ整い始めます。
今日からできる小さな再利用が、
1ヶ月後の家のスッキリにつながり、
1年後の生活費の節約につながり、
10年後の地球環境のための行動にもなっていきます。
あなたのリユースが、未来をちょっとだけ良くする。
その第一歩を、ぜひ今日から始めてみてください。