はじめに|片づけが続かない理由は「完璧を求めすぎ」だから
「よし、今日は部屋を徹底的に片づけるぞ!」と意気込んでも、
気づけば途中で挫折…。そんな経験、ありませんか?
散らかる理由は、あなたの性格や意思の問題ではなく、
実は「片づけの仕組み」と「日々の習慣」が整っていないからです。
この記事では、誰でも続けられる“1日たった5分”の片づけ習慣で、
自然と部屋が散らからなくなる仕組み作りを徹底解説します。
第1章|なぜ“毎日5分”でいいのか?
「たった5分で本当に変わるの?」という疑問に答えます
「家をきれいに保ちたいけど、片づけにかける時間がない…」
「一度片づけても、すぐにリバウンドしてしまう…」
そんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
でも実は、毎日たった5分の片づけ習慣が、“散らからない家”を作る最短ルートだと知っていましたか?
「5分じゃ何もできない」と感じるかもしれません。でも、その思い込みこそが片づけを億劫にしてしまう最大の落とし穴。実は片づけは、短時間でも「続けること」が一番大事なのです。
この章では、なぜ“毎日5分”が有効なのか、その理由とメリットを解説していきます。
1. 片づけの「小さな積み重ね」が大きな差になる
家が散らかる理由のひとつは、「モノを戻さない時間」が積み重なることにあります。
例えば、テーブルの上に出しっぱなしの郵便物。すぐに仕分けすれば30秒で済むのに、「あとでやろう」と放置して気づけば山積み…。こういった**“プチ散らかり”の放置**が、結果的に「片づけるのが大変な状態」へとつながってしまいます。
ここで重要なのが、散らかる前に対応するという考え方。
毎日5分、こうした“小さな乱れ”を整えるだけで、散らかりは驚くほど防げます。
しかもこの習慣は、「モノを戻す」「ちょっとだけ拭く」「1つ手放す」といった行動を自然に生活に取り込むことができ、結果的に片づけに費やす時間が大幅に減るというメリットもあるのです。
2. “5分”という時間が、継続のハードルを下げる
ダイエットや運動習慣と同じで、片づけも**「続かない」ことが一番の失敗要因**です。
- 「30分やるぞ!」と決めても、気分が乗らなければやらない
- 「休日にまとめて」と思っても、結局先送り…
これではリズムが崩れて、片づけそのものがストレスになります。
その点、「5分ならやれそう」と思える時間設定はとても有効です。
人間の脳は「始めるまで」が一番エネルギーを使うため、最初のハードルが低いほど、行動に移しやすくなるのです。
しかも実際にやってみると、5分のつもりが気づけば10分やっていた…ということも多く、「やらなきゃ」ではなく「気づいたらやってた」という理想の習慣化パターンにもなります。
3. “毎日やる”ことで、片づけが「生活の一部」になる
週1回の30分より、毎日の5分。
これは「量」ではなく「頻度」の力を活かす考え方です。
- 毎日行う → ルーティン化される
- ルーティン化される → 意識せずできる
- 意識せずできる → ストレスなく継続できる
このサイクルが完成すると、「片づけしなきゃ…」というプレッシャーが消えます。
つまり、無理なく、自然と部屋が整っていく生活が手に入るのです。
さらに、家の中を毎日少しずつチェックすることになるため、汚れや散らかりの“初期段階”で対応が可能に。これにより、リバウンドしにくく、常に清潔感のある空間を保ちやすくなります。
4. 忙しい人ほど“5分習慣”が効果的
「仕事で帰宅が遅い」「子どもの世話で手一杯」など、毎日忙しく過ごしている人ほど、片づけにまとまった時間は取れません。
でも、そんな忙しい人ほど、“毎日5分”という最小単位の習慣が効果を発揮します。
- 歯みがきのついでに洗面台をひと拭き
- 出勤前に玄関の靴を揃える
- 就寝前にリビングをざっと整える
このように、「何かのついで」にできる小さな片づけを組み込むだけで、生活空間がガラリと変わっていきます。
忙しくても、「今日はできた」という小さな達成感が得られることで、自己肯定感もアップ。部屋だけでなく、気持ちまで整うのがこの習慣の魅力です。
5. “片づけスイッチ”が自然と身につく
習慣とは、「意識しなくても体が勝手に動く」状態のこと。
たとえば毎朝、顔を洗ったり歯をみがいたりするのと同じように、5分片づけを日常動作として定着させることができれば勝ちです。
この5分間が、生活全体を整える「きっかけ」になります。
- 朝:出発前にテーブルを拭く
- 夜:寝る前にキッチンを整える
- 帰宅後:バッグの中を片づける
こうした“スイッチ動作”を持つことで、「片づけることが面倒ではなく、当たり前」になり、気づけばあなたの家は**「片づけなくても散らからない家」**になっているはずです。
まとめ|“たった5分”が暮らしを変える
「片づけ=時間がかかる」というイメージを覆す“5分習慣”。
毎日ほんの少しの時間でも、確実に家の中に変化を起こせる。
そしてその変化が、「散らからない家」と「整った暮らし」を作っていくのです。

第2章|毎日5分で何をすればいい?場所別・片づけメニュー
「5分間、何をやればいいの?」の答えを明確に
「毎日5分でOK」と言われても、
「何をどう片づけたらいいのかわからない…」と感じる方は多いのではないでしょうか?
この章ではそんな方のために、**家の中の代表的な場所別に“5分片づけメニュー”**をご紹介します。
ポイントは「全部やろうとしない」「1日1エリアに集中する」こと。
エリアごとに5分でできることを決めておくことで、迷わず・スムーズに習慣化できるようになります。
■ リビング:家族の共有スペースは“見た目スッキリ”がカギ
✔おすすめ5分メニュー
- ソファのクッション・ブランケットを整える
- テーブルの上をリセット(飲み物、リモコン、読みかけの雑誌など)
- 床に落ちたモノを元の位置へ戻す
- テレビまわりのホコリをさっと拭き取る
▶ポイント:
家族が集まるリビングは、「何もしてないのにごちゃごちゃする」場所No.1。
見た目をすっきりさせることで、部屋全体の清潔感が一気に上がります。
「リセットタイム」を1日の終わりに設けるのが習慣化のコツです。
■ キッチン:“作業台が空いている”だけで料理が楽になる
✔おすすめ5分メニュー
- シンクに残った食器を洗う or 食洗機へ入れる
- 作業台(キッチンカウンター)を拭いてリセット
- 食材や調味料の「出しっぱなし」をしまう
- コンロ周りをさっとひと拭き
▶ポイント:
キッチンの「物の出しっぱなし」は散らかりの元。
“使ったら戻す”を5分でやるだけで、次の料理や洗い物が格段にラクになります。
朝・夜どちらか1回のリセットでも十分効果的です。
■ 洗面所:1日1回の整えが“生活感”を消す
✔おすすめ5分メニュー
- 洗面ボウルの水滴・汚れを拭き取る
- 鏡のくもり・水垢をタオルでサッと拭く
- ヘアブラシや化粧品を定位置へ戻す
- 洗濯機まわりの洗剤・ランドリーボックスを整える
▶ポイント:
水まわりは汚れが目立ちやすく、“なんとなく不潔”な印象を与えがち。
でも1日1回リセットするだけで、清潔感が持続します。
タオル交換とセットでやると習慣になりやすいです。
■ トイレ:「キレイが当たり前」に変えるために
✔おすすめ5分メニュー
- トイレの便座・床を除菌シートで拭く
- トイレットペーパーのストックを確認
- 芳香剤・消臭剤の位置や補充をチェック
- 使い終わった掃除用品を捨てる
▶ポイント:
トイレは汚れる前に手を打つのが鉄則。
毎日ちょっとの手入れで、イヤなニオイや頑固な汚れを防ぐことができます。
朝のルーティンに組み込むのがおすすめです。
■ 玄関:“最初に見える場所”が整えば、全体の印象が変わる
✔おすすめ5分メニュー
- 靴を全て下駄箱に戻す(今日使わない靴は片づける)
- 傘立てや玄関マットの位置を整える
- 郵便物の仕分け(必要・不要の仕分けだけでもOK)
- 床に掃き掃除 or フロアワイパー
▶ポイント:
玄関は「家の顔」。
散らかっていると、それだけで生活感があふれてしまいます。
たった5分の玄関リセットで、帰宅時の気分がぐっと良くなります。
■ 寝室:1日の終わりと始まりを気持ちよくするために
✔おすすめ5分メニュー
- ベッドメイキング(布団・枕の整え)
- パジャマや衣類の整理
- 床に置いたものを定位置に戻す
- サイドテーブルのごちゃつきを整える
▶ポイント:
寝室の乱れは、疲れを倍増させる原因に。
朝の5分だけでもベッドまわりを整えるだけで、1日がシャキッと始まります。
■ クローゼット・収納|「入れるだけ収納」は崩れやすい
✔おすすめ5分メニュー
- たたんだ服をジャンルごとに整える
- ハンガーの向きをそろえる
- 要らない服・壊れたハンガーを1つ処分
- カバンや小物を定位置へ戻す
▶ポイント:
収納エリアは“見えない場所”ですが、ここが整うと**「モノを探す時間」が激減します。
「今日はクローゼット」「明日は洗面下収納」といったローテーション制にすると飽きずに続けられます**。
5分片づけを成功させる「2つのコツ」
1. “片づけエリア”を曜日で固定する
例:
- 月曜:リビング
- 火曜:キッチン
- 水曜:洗面所
- 木曜:寝室
- 金曜:玄関
- 土曜:収納・クローゼット
- 日曜:お休み or リセット日
このように決めておけば、毎日の「何しよう?」を考える手間がなくなるため、継続率がぐっと上がります。
2. 「終わりの見える量」に絞る
“5分”という制限時間を逆手にとって、「これだけ」と決めた量だけに取り組むのが成功のコツです。
- 「机の上だけ」
- 「3つだけ戻す」
- 「10枚だけ服を整える」
完璧を目指すのではなく、“途中でもOK”のマインドで軽くやることが、結果的に長く続く鍵になります。
まとめ|「選べるメニュー」が習慣を助ける
5分片づけは、短時間だからこそ、あらかじめ「やることを決めておく」ことが成功の秘訣です。
この記事で紹介したように、エリアごとの片づけメニューをストックしておけば、迷うことなくすぐ始められます。
次章では、**この5分習慣を毎日続けるための「習慣化のコツ」や「やる気を維持する工夫」**について詳しく解説していきます。
日々の生活にうまく組み込むためのヒントをお届けしますので、ぜひ続けてご覧ください。

第3章|片づけ習慣を定着させるための3つのルール
「続けられない」を「自然に続く」に変えるために
毎日5分の片づけ――これは、効果が高く現実的な方法です。
しかし、「わかっていても続かない」「最初の数日だけで終わってしまう」という人も少なくありません。
習慣化において大切なのは、**やる気や意志力ではなく「仕組みづくり」**です。
この章では、5分片づけ習慣を無理なく続けていくための【3つのルール】を紹介します。
どれもすぐに実践できるシンプルな工夫ばかりなので、ぜひ今日から取り入れてみてください。
ルール①|「タイミングを決める」ことで“思い出す”を自動化
片づけ習慣を「生活の一部」にする第一歩
人が習慣化しやすい行動には、共通点があります。
それは、毎日同じ「きっかけ」でスタートできることです。
「片づけしよう」と毎日意識して思い出すのは意外と難しいもの。
ですが、「この行動のあとには片づける」とルール化すれば、意識しなくても体が動くようになります。
▷ 実践例:
- 朝起きたら→ベッドを整える(寝室片づけ)
- 歯磨き後→洗面台を拭く(洗面所片づけ)
- 帰宅して着替えたら→バッグの中を整える(玄関・収納片づけ)
- 夕食後→キッチンカウンターを拭く(キッチン片づけ)
- 就寝前→リビングのクッションやテーブルを整える(リビング片づけ)
このように**「行動の前後」に組み込む**と、片づけが“選択”ではなく“流れ”になります。
これが習慣化の第一の鍵です。
ルール②|「ハードルを下げる」ことで“やる気ゼロ”の日も続けられる
完璧主義は習慣の敵。60点で合格!
片づけを習慣にできない人の多くは、“つい頑張りすぎてしまう”ことが原因です。
- 気合を入れて一気に片づける
- 細かい収納方法をいきなり整えようとする
- 5分で終わらせるはずが30分やって疲れる
こうなると、「また明日もやらなきゃ」という気持ちが負担になります。
だからこそ、“最低ライン”を下げることが大切です。
▷ 自分に許す「ゆるめルール」の例:
- 今日は「1カ所」だけでOK
- 気が乗らなければ「1つ戻す」だけでも合格
- 拾ったゴミを捨てるだけでもOK
「何もやらなかった」日をつくらないために、“やることのハードル”を自分で下げておくこと。
この「ゆるい合格ライン」が、長く続けられるカギになります。
ルール③|「見える化」して“達成感”を味わう
人は“できた”を感じないと続かない
どんなに短時間でも、「自分はやった」という手応えがないと、習慣は定着しにくくなります。
そこで有効なのが、やったことを“見える形”にする工夫=見える化です。
▷ こんな方法があります:
- カレンダーに〇印をつける(習慣チェッカー)
- 「5分片づけログ」をノートやアプリに記録する
- SNSや家族と共有して「報告」する
- ToDoリストに「今日の5分片づけ」を書いて、終わったら線で消す
こうした「視覚的な達成感」は、脳にご褒美として刻まれ、
「やった自分、えらい」と思えるポジティブな感情を呼び起こします。
また、リズムが崩れたときも、「1日空いちゃったけど、また〇をつけよう」と気持ちを切り替えやすくなります。
習慣化のために忘れてはいけない「3つの心得」
ルールと合わせて、次の3つを心にとめておきましょう。
- “続けること”が目的。きれいにするのはその結果
→ 見た目の変化に一喜一憂せず、まずは「毎日やる」を優先。 - できない日があってもOK。「やめなければ失敗じゃない」
→ 1日できなかったくらいでゼロに戻らない。続きからで大丈夫。 - 「完璧より継続」。生活と両立できるペースで続けよう
→ 頑張りすぎると習慣は崩れる。心地よい程度で止めるのがベスト。
まとめ|習慣化は「仕組み」で決まる
毎日5分の片づけを定着させるには、「やる気」や「性格」ではなく、
環境と仕組みを整えることが最も大切です。
- 決まったタイミングでやる
- ハードルを低くする
- 見える化して達成感を得る
この3つのルールが整えば、あなたの暮らしに片づけ習慣が“自然に組み込まれていく”はずです。

第4章|「散らかる家」と「片づく家」の違いはここ!
“家の状態”は、暮らしの質を映す鏡
同じように忙しく働き、同じように物を持っていても、
ある家は常にスッキリ整っていて、
ある家はいつもどこか散らかっている。
この差は、一体どこから生まれるのでしょうか?
実は、「片づけの上手さ」や「収納の技術」ではなく、
日々のちょっとした考え方や習慣の違いが、家の状態を大きく左右しています。
この章では、“散らかる家”と“片づく家”の違いを5つの視点で比較しながら、
散らからない暮らしにシフトするためのヒントを探っていきます。
違い①|「モノの持ち方」が違う
散らかる家:
- 「とりあえず取っておく」が口ぐせ
- 使っていない物も「まだ使える」で処分できない
- スペースがあれば、何かを詰め込む
片づく家:
- 「今、使っているか」で持つかどうかを判断
- 使わない物は感謝して手放す
- 空間には“余白”を残す意識がある
▷ポイント:
片づく家の人は、“モノの量”そのものを管理しています。
不要なモノが入る余地をつくらない=散らかる原因を減らすという視点で暮らしています。
違い②|「収納の考え方」が違う
散らかる家:
- 「とりあえず押し込む」が習慣化
- 同じジャンルのモノが複数箇所に分散している
- よく使う物が奥にあり、出し入れが面倒
片づく家:
- 「戻す場所」がはっきりしている
- ジャンルごとに1カ所にまとめている
- よく使うモノほど手前・目線の高さに配置している
▷ポイント:
収納は「しまうこと」ではなく、「戻すこと」を前提に設計するのがコツ。
使う人・頻度に合った配置ができている家は、自然と片づきやすくなります。
違い③|「片づけの頻度とタイミング」が違う
散らかる家:
- 散らかってからまとめて片づける
- 「時間がある時にやろう」が口ぐせ
- 片づけ=“特別な作業”という認識
片づく家:
- 毎日少しずつリセットする
- 「ついで」や「動線の中」で片づける
- 片づけ=“生活の一部”として習慣化
▷ポイント:
片づく家は、“まとめてやる”ではなく“日々ちょこちょこ”の積み重ね。
「散らかる前に対応する」予防的片づけができているのが特徴です。
違い④|「片づけに対するストレス度」が違う
散らかる家:
- 「何から手をつけていいかわからない」
- 片づけを始めるまでに気合いが必要
- 途中で投げ出しがちで、リバウンドしやすい
片づく家:
- 「5分だけやろう」が自然にできる
- モノが少なく、片づけの手間も少ない
- リセットに時間がかからず、達成感が得やすい
▷ポイント:
片づく家は、片づけに「疲れない」仕組みが整っているのが強み。
気合を入れずにできるからこそ、続けやすくリバウンドしにくいのです。
違い⑤|「家族の協力体制」が違う
散らかる家:
- 片づけが1人に集中しがち(主に親や配偶者)
- 家族が「どこに何があるかわからない」
- 出しっぱなし・置きっぱなしが習慣化
片づく家:
- ルールが共有されていて、家族も自然と協力
- 「元の場所に戻す」仕組みが誰でもわかる
- 子どもでもできる仕組み・習慣がある
▷ポイント:
片づく家は、**“自分だけが頑張らない仕組み”**を持っています。
「人に任せられる=片づけが維持しやすい」ということです。
散らからない家づくりのカギは、「片づけなくても片づく」仕組み
ここまで紹介してきた違いからわかるのは、
“片づけそのもののテクニック”よりも、日々の考え方・習慣・仕組みの違いこそが、散らかり具合を左右しているということです。
つまり、「片づける力」を高めるよりも、
“散らかりにくい仕組み”を整えたほうが、ずっとラクに家が整うのです。
そのためには、次のような視点が重要です:
- モノを減らす(見直し)
- モノの定位置を決める(配置)
- 片づけのルールを決める(習慣)
- 家族と共有する(協力)
まとめ|片づけは“暮らし方”の違いから変えられる
「片づけが苦手」「部屋が散らかってしまう」と感じているなら、
収納方法やアイテムを探すよりも、まずは自分の暮らしの“仕組み”を見直すことが大切です。
- モノの持ち方
- 収納の考え方
- 片づけのタイミング
- 心理的なストレス度
- 家族の協力体制
この5つの観点で“わが家の今”を振り返るだけでも、改善のヒントがたくさん見つかります。
第5章|継続するための小さな工夫とアイデア
「続かない」を「気づいたら続いてる」に変える
毎日5分の片づけ習慣。
たった5分とはいえ、「毎日続ける」ことには、想像以上のエネルギーが必要です。
だからこそ重要なのが、「やる気」ではなく「工夫と仕組み」。
無理なく、そして自然に続けられるようにするために、生活の中にちょっとした“しかけ”を組み込んでいきましょう。
この章では、5分片づけをラクに・楽しく・長く続けるための具体的な工夫やアイデアを紹介していきます。
1|「5分タイマー」で“メリハリ”をつける
片づけが続かない理由のひとつは、「ダラダラして終わりが見えない」こと。
そんなときにおすすめなのが、**キッチンタイマーやスマホのアラームを使った“5分チャレンジ”**です。
▶やり方:
- タイマーを5分にセットしてスタート
- 時間内でできる範囲だけやる(終わらなくてOK)
- タイマーが鳴ったら、途中でも終了!
この“時間区切り”のルールを導入することで、「気がついたら1時間やっていた…」という燃え尽きパターンを防げます。
また、「よーいドン!」のようにゲーム感覚で始められるので、気持ちの切り替えにも最適です。
2|「ついで片づけ」を習慣にする
「わざわざ片づけの時間を作るのが面倒」という方におすすめなのが、
**“何かのついでにやる”**という方法。
▶実践例:
- 歯をみがきながら洗面台を拭く
- 電子レンジの加熱中にキッチンを整える
- 風呂上がりに脱衣所のタオルを整える
- 洗濯機の終了待ち時間でリビングを片づける
これなら、片づけが「追加のタスク」ではなく「生活の流れの中」に溶け込むので、負担感が激減します。
日常の中のスキマ時間を見つけて、自然と体が動くようになるのが理想です。
3|「片づけしやすい環境」をつくる
片づけを習慣にするには、“始めるハードル”をできるだけ低くすることがポイントです。
そのためには、道具や収納の配置にもひと工夫を。
▶工夫の例:
- ウェットシートは洗面所やトイレなど、すぐ使える場所に常備
- よく使うアイテムは「出しっぱなしOKゾーン」をつくる
- ゴミ箱・雑巾・フロアワイパーなどは各部屋に置いておく
- ハンディ掃除機や粘着クリーナーは「目に付く場所」に出しておく
これらはすべて、“わざわざ取りに行かなくていい”状態を作る工夫です。
「今やろうかな」と思ったときに、すぐ行動に移せる環境が整っていれば、習慣化の難易度がぐっと下がります。
4|「見える化」でモチベーションUP
続けるためには、「やった実感」や「変化の見える化」も重要です。
▶おすすめの見える化方法:
- チェックリストやToDoリストを作って毎日〇をつける
- カレンダーに「片づけ達成マーク」を記録
- 写真を撮ってビフォーアフターを比較
- アプリ(例:習慣化アプリ、タスク管理アプリ)で記録する
たとえば、「5日連続達成!」というように成果が“数字”や“記録”として残ると、自然と達成感が得られます。
小さな成功体験の積み重ねは、大きな継続力に変わります。
5|「自分にごほうび」を設定する
ごほうび制度は、子どもだけでなく大人にも効果的。
「1週間続けられたらお気に入りのカフェへ行く」
「10日達成で小さなご褒美アイテムを買う」
そんな自分へのごほうびを設定しておくことで、継続に対するモチベーションが高まります。
ここでのポイントは、“ごほうびのハードルを高くしすぎない”こと。
ちょっとした嬉しさや楽しみがあれば、自然と続けたくなります。
6|「誰かと共有」して励まし合う
1人では続かないことも、誰かと一緒なら頑張れるもの。
家族やパートナーと「一緒に5分やろう」と決めたり、SNSや友人グループで「片づけチャレンジ」を共有したりするのもおすすめです。
▶活用アイデア:
- 夫婦や子どもと「5分間片づけ対決」ゲームをする
- SNSで「#5分片づけ」「#今日の片づけ」などのタグで記録を残す
- 友人と「片づけ報告LINE」を送り合う
自分の頑張りを誰かが見ていてくれるというだけで、続ける力がぐんと増します。
7|「失敗しても気にしない」マインドを持つ
最後に最も大切なのは、**“完璧を目指さないこと”**です。
1日サボっても、3日できなくても大丈夫。
大切なのは、「やめないこと」より、「戻れる仕組み」があること。
失敗を責めず、「今日は無理だったね。でもまた明日からでOK」と、
自分にやさしくすることこそ、長く続ける最大の工夫です。
まとめ|小さな工夫が「続く習慣」を支える
「毎日5分だけ」とはいえ、続けるためにはちょっとした工夫が欠かせません。
ここまで紹介したように、続けるためのポイントは…
- 時間を決めてメリハリをつける
- 行動の流れに組み込む
- 始めやすくする環境をつくる
- 成果を“見える化”する
- 楽しさやごほうびで気分を上げる
- 誰かと一緒に取り組む
- できない日があっても大丈夫と思える余裕
これらの工夫を自分の暮らしに合わせて取り入れれば、
「毎日5分の片づけ」は、無理なく自然にあなたの生活の一部になっていくはずです。
第6章|実例紹介:5分習慣で暮らしが変わった人たち
「たった5分の習慣」で、暮らしは本当に変わるのか?
毎日たった5分の片づけで、本当に家が整うの?
そんな疑問を持つ人も多いかもしれません。
でも実際に、5分の小さな習慣をコツコツ続けることで、
家が整い、気持ちが楽になり、暮らし全体が前向きに変化した人たちがいます。
この章では、さまざまなライフスタイルの中で5分片づけを取り入れた3人の実例を紹介します。
「時間がない」「苦手意識がある」「家族が協力してくれない」――
そんな悩みを抱えていた人たちが、どんな風に変わっていったのか。
ぜひ、自分の暮らしに重ねながら読んでみてください。
ケース①|フルタイムワーキングマザー・千春さん(38歳)
Before|仕事・育児・家事のトリプル負担で、いつも「片づける時間がない」
保育園に通う2人の子どもを育てながら、週5日のフルタイム勤務。
「1日が終わると、家の中がぐちゃぐちゃなのが当たり前でした」と話す千春さん。
- 洗面所は朝の準備でごちゃごちゃ
- リビングのテーブルは常にプリント類やおもちゃで埋まる
- 休日にまとめて片づけても、すぐリバウンド
「もうこれはしょうがない」と半ばあきらめていたとき、
SNSで“5分片づけ”の言葉を見て、半信半疑で試してみたそうです。
After|「5分だけ」と決めたことで“やれる時間”が生まれた
まずは朝食後にキッチンだけをリセットすることからスタート。
5分タイマーをかけて、できることだけやると決めたことで気持ちがラクに。
1週間も経つ頃には、以下のような変化が現れました。
- 子どもたちが「お片づけの時間だよ」と声をかけてくれるように
- テーブル上の散らかりが減って、夕食の準備がスムーズに
- 「きれいな状態」が当たり前になり、イライラが減った
「掃除の時間を“作る”んじゃなくて、“見つける”感覚ですね。5分って、本当にすごいです」と笑顔で語ってくれました。
ケース②|一人暮らしの会社員・誠也さん(29歳)
Before|ズボラ男子の部屋は“物置部屋化”寸前
誠也さんの悩みは、「片づけたい気持ちはあるけど、やる気が出ない」ということ。
- 床に服が山積み
- 机は空いているスペースなし
- 宅配の空き箱や雑誌が放置されたまま
友人を家に呼べないことが地味なストレスだったと語ります。
ある日、「部屋が散らかっていると、自己肯定感が下がる」という記事を読んで、まずは1日5分だけやってみようと決意。
After|毎日少しだけでも「リセットできる男」に
誠也さんが始めたのは「寝る前の5分片づけ」。
スマホのタイマーをかけて、床にある服を畳んだり、机を1カ所だけ片づけたり。
最初は半信半疑でしたが、1か月も経つと部屋が見違えるように。
- モノがどこにあるかすぐにわかるようになった
- 朝、部屋が整っていて気持ちよく出勤できる
- 自分の部屋に“ちょっとした誇り”が持てるように
「片づけ=めんどくさい作業」から「整えるって気持ちいいな」に感覚が変わったことで、
今では月1回のプチ模様替えまで楽しんでいるとのことです。
ケース③|60代夫婦・良子さん(65歳)
Before|「捨てられない」「しまえない」老後の片づけ疲れ
長年住んだ家には、思い出と物がいっぱい。
収納スペースは限界、押し入れはギュウギュウ、テーブルの上もすぐにモノが集まってしまう。
「どこから手をつけていいのか、もうわからない」と途方に暮れていた良子さん。
片づけの本を読んでも、どれも「時間がかかる・手間がかかる」と感じて挫折していたところ、娘さんに勧められたのが“5分習慣”でした。
After|1日1つの引き出しから。暮らしに“風通し”が戻った
良子さんが始めたのは「1日1引き出しルール」。
今日は文具、明日は薬箱、といった具合に、1日5分、1か所だけを整理。
「最初は時間ばかり気にしていたけれど、慣れてきたら“整えるのが楽しい”と感じるようになりました」とのこと。
- 気持ちの重さが減り、過去への執着を手放せた
- 整理された空間に“風通し”が感じられるように
- 夫も自然と「元に戻す」ようになった
「60代でも習慣は変えられるってわかりました」と話す良子さんの笑顔が印象的でした。
まとめ|どんな暮らしにも「5分の余白」はつくれる
3人の実例からわかるように、
“暮らしの背景”や“性格”が違っても、「5分片づけ」は確実に効果を発揮します。
- 家族との時間を大切にしたい人
- 自分の空間を整えたい人
- 年齢を重ねて「これから」の暮らしを快適にしたい人
どんな人にも、片づけ習慣を育てる可能性はあります。
そして、そのスタートはたったの5分。
「今日からできる」「今から変われる」そんな感覚を、多くの人に味わってもらえたら嬉しいです。
第7章|散らからない家に近づく1週間プログラム(例)
「やることが明確」だと、続けやすい
「毎日5分の片づけを習慣にしたいけど、何から始めたらいいかわからない…」
そんな方のために、この章では**“1週間で家が整い始める”片づけプログラムの例**を紹介します。
ポイントは、
✔ 毎日「やる場所」を1つにしぼること
✔ 5分で終わる小さなタスクだけにすること
✔ 順番に取り組むことで“片づけの流れ”がつかめるようになること
このプログラムは、実践しやすく、続けやすく、達成感が得られる構成になっています。
ぜひ、あなたのライフスタイルに合わせてアレンジしながら取り入れてみてください。
【1週間プログラムの全体スケジュール】
曜日 | 片づけエリア | タスクの内容 |
---|---|---|
月曜 | 玄関 | 靴の整頓とマットの拭き掃除 |
火曜 | リビング | テーブル&ソファまわりのリセット |
水曜 | キッチン | カウンターとシンクまわりを整える |
木曜 | 洗面所 | 洗面台・鏡の拭き掃除と整理 |
金曜 | 寝室 | ベッドメイキング&床の片づけ |
土曜 | クローゼット | 洋服を5枚だけ整理・不要品チェック |
日曜 | フリー | やり残しフォロー or “やらない日” |
【Day1:月曜】玄関の片づけ|「家の顔」を整えてリズムを作る
タスク内容:
- 玄関に出しっぱなしの靴をしまう(必要な1足だけ残す)
- 靴箱の中を軽くチェック(履いていない靴がないか)
- 玄関マットを軽くはたく or 拭く
- 郵便物が溜まっていたら仕分け
ポイント:
玄関は外から帰った瞬間に目に入る場所。
ここが整っていると、それだけで“家全体が片づいている”ように見えます。
まずはこの場所から、1週間の片づけリズムをスタートさせましょう。
【Day2:火曜】リビングの片づけ|共有スペースをスッキリ見せる
タスク内容:
- テーブルの上をすべてリセット(モノをなくす)
- ソファのクッションやブランケットを整える
- リモコンや雑誌を定位置へ戻す
- 床にモノがあれば拾って元の場所へ
ポイント:
リビングは“何もしなくても散らかる”代表格。
視界に入る範囲だけでもスッキリさせると、家族全員の意識が変わってきます。
【Day3:水曜】キッチンの片づけ|「調理しやすさ」が生まれる習慣
タスク内容:
- シンクまわりの水滴や汚れを拭き取る
- カウンターの上をすべてリセット
- 使った調味料や食材を戻す
- フロアワイパーで床をひと拭き(時間があれば)
ポイント:
キッチンは「出しっぱなし」になりやすい場所。
5分で“作業台をクリアにするだけ”でも、翌日の料理がスムーズに進みます。
【Day4:木曜】洗面所の片づけ|清潔感をキープしやすくする
タスク内容:
- 洗面台と鏡を拭く(歯みがきのついでに)
- コップ・歯ブラシの配置を整える
- 散らかったスキンケア用品・小物を元に戻す
- 使用済みタオルを交換
ポイント:
「水まわりを整える習慣」は、衛生面だけでなく、朝の身支度もスムーズに。
短時間で“サッと整う洗面所”は、日常生活の満足度をぐっと高めます。
【Day5:金曜】寝室の片づけ|「疲れが取れる空間」をつくる
タスク内容:
- ベッドの布団と枕を整える(朝 or 夜)
- 床に置いているモノを片づける
- パジャマや部屋着を収納場所へ戻す
- サイドテーブルの上を整える
ポイント:
寝る前に部屋が整っていると、ぐっすり眠れると言われています。
1日の終わりに“自分のために整える”気持ちを大切に。
【Day6:土曜】クローゼットの片づけ|服の整理で気持ちも軽く
タスク内容:
- 1ジャンル(Tシャツ、シャツなど)を5枚だけ見直す
- 着ていない服を1枚手放す
- ハンガーの向きをそろえる
- カバンや小物を定位置に戻す
ポイント:
“洋服は一気にやらず、1日5分×積み重ね”が鉄則。
週1でクローゼットに向き合うだけでも、衣類の量と管理しやすさが大きく変わってきます。
【Day7:日曜】お休み or フリーデイ|「余白」があるから続けられる
タスク内容:
- やり残した日の片づけをフォロー
- 今週のどこかが完了していれば「今日はお休み」でOK
- 気が向けば“+5分”で好きな場所を整えても◎
ポイント:
「毎日やらなきゃ」ではなく、**“7日で5日できれば十分”**というゆるさが継続のコツ。
日曜日は心と家に“余白”をつくるための日にしましょう。
まとめ|「決めてあるから迷わない」1週間が、習慣を後押しする
この1週間プログラムの目的は、「考えるストレス」を減らし、「やってみる気軽さ」を増やすことです。
毎日少しずつ。1日1エリア。
時間も体力もかからないけれど、確実に家は整いはじめます。
この1週間を何度でも繰り返せば、
それはやがて“片づけなくても散らからない家”という理想に近づいていくはずです。

まとめ|“片づいた家”は「5分の習慣」がつくる
毎日たった5分。でも、確実に家も心も変わっていく
「部屋が散らかっていると、なんとなく落ち着かない」
「片づけなきゃと思っても、腰が重くて動けない」
「休日に一気にやろうと思っても、また先送りに…」
そんなふうに、“片づけの悩み”をずっと抱えていませんか?
でも大丈夫。
その悩みは、毎日たった5分の片づけ習慣で変えられます。
本書で紹介してきたように、片づけとは「気合いを入れてやるもの」ではなく、
生活の中で“自然に繰り返される行動”として取り入れるものです。
そして、たった5分の行動が毎日続けば、
「散らからない家」「イライラしない生活」「心のゆとり」は、いつのまにか手に入っています。
■ 本書のまとめ|片づいた家は“3つの積み重ね”でつくられる
①|考え方のシフト:「完璧を目指す」から「少しだけ整える」へ
片づけ=部屋全体を一気にきれいにすること、という考えはもう手放しましょう。
大事なのは、**“全部じゃなくて、できるところから”**やること。
5分という短い時間で、机の上だけ整える。
洗面台を拭くだけ。
床に落ちているモノを戻すだけ。
これで十分です。
「やる気」より「動いた事実」が、次の行動のエネルギーになります。
②|習慣の工夫:「やらなきゃ」ではなく「ついでにやる」仕組み
続けるためのコツは、“仕組み”にしてしまうことでした。
- 歯磨きのついでに洗面所を整える
- タイマーを使って5分チャレンジ
- カレンダーにチェックをつける
- 家族と一緒に「お片づけタイム」を楽しむ
日常生活に“片づけスイッチ”を組み込んでしまえば、
頑張らなくても、自然と行動できるようになります。
③|変化の実感:小さな片づけが“暮らし全体”に影響する
「たった5分」の積み重ねで、以下のような変化が起きていきます。
- 朝起きたとき、部屋が整っていて心地いい
- モノがすぐに見つかるから、探す時間が減る
- 家族も自然と“戻す”習慣が身につく
- 片づけが“面倒”から“気持ちいい”に変わる
つまり、“片づけができる人になる”のではなく、
“散らからない暮らしそのもの”が自然に作られていくのです。
■ 誰にでもできる。どこからでも始められる
この習慣の良さは、「どんな人でも」「今すぐ始められる」という点です。
- 家事や育児で忙しい方
- 仕事で帰宅が遅い方
- 片づけが苦手な方
- 高齢で体力に不安のある方
- 一人暮らしの若い方や学生さんも
5分なら、できる。5分なら、続けられる。
だからこそ、誰の暮らしにもフィットするのです。
■ まずは「1週間」やってみよう
第7章で紹介した「1週間片づけプログラム」から始めるのがおすすめです。
月曜:玄関 → 火曜:リビング → …と、エリアをしぼって5分ずつ片づけるだけ。
1週間が終わる頃には、
「あ、部屋の印象が少し変わったかも」
「なんだか気分が軽い」
そんな小さな成功体験が手に入っているはずです。
それが、継続のモチベーションになります。
■ おわりに|あなたの「毎日5分」が、未来の家をつくる
家の状態は、心の状態とつながっています。
モノが散らかっていると、頭の中まで散らかって感じられる。
空間が整っていると、気持ちにも余裕が生まれる。
そしてその違いは、「特別な努力」ではなく、**“5分の習慣”**がつくってくれます。
片づいた家は、1日で完成しません。
でも、“片づいた家に近づく行動”は、今この瞬間からでも始められます。
片づけに振り回される暮らしから、
「いつも心地よく過ごせる暮らし」へ。
あなたの5分が、その第一歩になります。